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東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 血液・腫瘍生物学分野は、2024年5月よりスタートした新しい研究室です。

がんは、その起源となる細胞が、生存に有利な遺伝子変異(=ドライバー変異)を獲得し、クローン選択を受けることが繰り返される結果、遺伝学的に多様な細胞集団からなる疾患です。この過程には、造血幹/前駆細胞に生じた遺伝子変異に代表される内因性の変化に加え、エピジェネティクス異常や転写後修飾の異常など、遺伝子配列の変化を伴わない分子制御機構の破綻も関与しています。さらに、加齢、慢性炎症、ならびに微小環境(ニッチ)との相互作用といった外因性要因も、これらの内因性変化と相互に作用しながら、がんの病態形成に寄与すると考えられています。

近年、次世代シーケンス技術(next-generation sequencing: NGS)を用いた大規模ながんゲノム解析の進展により、その病態の多様性が遺伝子レベルで明らかにされてきました。しかし、これらの遺伝子異常が、どのようにして造血幹/前駆細胞クローンの選択と進化をもたらし、造血器腫瘍の発症へと至るのかについては、未解明の点が多く残されています。

当研究室では、がん(特に血液のがん)を対象として、遺伝子異常により病気が発症する分子メカニズムを解明することを主な研究テーマとしています。患者検体および疾患マウスモデルを用いた分子生物学的解析に加え、多様なオミクス解析やシングルセル解析を組み合わせたデータサイエンスを取り入れ、がん細胞に生じる内因性の異常を高い解像度で捉えるとともに、細胞間相互作用や外因性要因の影響にも着目し、病態の理解を多角的に進めています。

基礎研究を通じて、がんの病態理解につながる新しい知を見いだすことを目標に、複雑で精巧な生命現象の探究に取り組んでいます。さらに、そこで得られた知見を臨床に還元する橋渡し研究へとつなげ、病気の克服および人々の健康の増進に貢献することを目指しています。

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血液・腫瘍生物学分野

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